障がい者支援における成年後見制度の功罪
平成25年4月に障害者自立支援法が施行されました
平成12年4月に施行された介護保険法の「措置から契約」の理念を障害者支援にも適用して障がい者の自立や権利擁護を推進するためです その前頃から 障がい者ご自身やその保護者やご家族から 成年後見制度の利用が推進されるようになりました 親が障がいのある我が子の後見人になることで 子供を守ろうと考えたうえでのことです 当初は申立書に記載した候補者(ご親族)が後見人に選任されていました しかし 平成25年 福山事件の高等裁判所判決後より それまで選任されていた親族後見人を解任したり 何の落ち度もない親族後見人に突然 家庭裁判所の職権で後見監督人を付けるという案件が急増しました
それらの不適切な事実により 障がい者のご家族が成年後見制度に背を向けることになったのです それは 当事者団体や支援者団体によって語られることで 現在でも悪い話として伝わっています
※福山事件:2004年 交通事故で植物状態となった男性について 広島家庭裁判所福山支部が成年後見の申立をした姪(知的障がい者)を男性の後見人に選任した 男性には事故の和解金として4770万円の保険金が入金されたところ 後見人の姪は実母や交際相手と共謀してそのうち約3800万円もの使途不明金を作り それについて説明できないとして 成年後見人を解任された その後 男性の新たな後見人に選任された弁護士が国(家庭裁判所)の選任・監督責任を求めて提訴した
第1審では国の責任は認められなかったが 控訴審では国の監督責任を一部認めて(231万円)和解がなされたという事件